ドラゴンズ・レア(発売元 エピックソニー 開発元 Motivetime:1991年)



(1枚目:タイトル画面。あ、洋ゲーだ! 2枚目:一面。いきなり死にまくります。3枚目:2面。右の奴の小石、当たると即死。)

辰年続きでドラゴンだ!
このシネマトロニクス社製のドラゴンズ・レアは一部で有名なLDゲームと言われるもので、映像(アニメやムービー等)に
合わせ状況に応じボタンを押して先へ進んでいくタイプのゲームの記念すべき一発目。
シェンムーのQTEが同じシステムですね。バイオ4のウザったいムービー中のアレも。
スペックを映像に費やすことでゲーム性は制限されましたが、当時としては美麗な表現力を持ったゲームとして人気がでた模様です。
タイムギャルやサンダーストームがそうですね。やった事はないんですが…

ちなみに上は全てアーケードゲームの話です。しかも1983年の話です。
本レビューのそれはアクションゲームになっており、完全に別ゲーです。
ファミコン版もわざわざ北米で作られたそうで大層要らん事をやってくれたという印象です。
まずざっくばらんにこのゲームを一言で言うと、
プリンスオブペルシャのぬるぬるもったり感で当たり判定のでかいスペランカーが魔界村にINしたお!
です。ぽこたんINしたお!
自分はクソゲーという言葉をこのサイトでは使いたくないのであえてこのゲームはムズゲーとだけ表します。

さて具体的な内容に入っていきます。
先に白状しますが筆者はこのゲームをクリアしていません。
3面までは気合いで行ったんですがそこからがもうムリ。マジでムリ。移動床に殺されまくってます。
こんなに移動床に殺されるゲームなんてキャッスルエクセレント以来な気がします。
話を戻しますが、このゲームのストーリーは、PIXIV百科事典いわく
主人公の「ダーク」が、邪悪な魔法使い「モードロック」によってさらわれた王女「ダフネ」を救い出す物語。
だそうです。何ともバタ臭いテンプレートな内容。

このココリコの田中氏を思い出す横顔のダーク、やる気の感じられない挙動で一々プレイヤーをイライラさせてくれます。
しゃがむのも4コマくらい使いチンタラ、武器の投げナイフはアホな放物線で、ジャンプは高く飛べばいいと思ってる節のある始末。
牛歩カードでも使われたのかと思うくらい足も遅く、走ったりはできません。
おまけに画面に対してキャラがやたらとでかく、当たり判定もギッシリ詰まってます。
プリンスオブペルシャばりにキャラがぬるぬる動くのは見ていて気持ちがいいのですが、ゲーム性にあっていません。
不便を強いて難易度を上げるタイプのゲームは個人的に苦手です。
まあ作為的にそうなっているかはわかりませんが。

そのゲーム性ですが、先述したように右スクロール型のよくあるアクション。
いちいち順番が悪くて申し訳ないのですが、攻撃手段は投げナイフ。他にも斧などがあります。
この武器を駆使して敵を倒し、やる気のないジャンプをして罠をチマチマ越えて進んでいきます。
ホントにチマチマという表現が似合うほどいちいち苦労します。
カラテカの柵を何度も越えているような印象でしょうか。
またライフ制には一応なっており、コウモリの突撃等は何発か耐えられます。
ですが、2mくらいしか飛んで無いような拳大の石がどこに当たっても即死するのでライフの意味が無い事が多いです。
この石は謎の壁面のドアの隙間から阿呆が投げてきたり、突然壁に現れる赤いヘビが放ってきたりとよく飛んでくるため、
2面以降の死亡原因の多くを占めます。2面にそもそもいけない事も多いみたいですが。
後、杭などにつぶされるとカタツムリになって一機失いますが意味がわかりません。

もう開き直って順番を滅茶苦茶に解説してますが、写真にある1面、何と画面一枚!
敵の城に入るそのつり上げ橋が一つの面になっているわけです。
橋の手前からゲームが始まり、まずコウモリがチョロチョロ飛んでくるので叩き落して前進。
この橋、どうも欠陥建築物なのか老朽化なのかわかりませんが上に乗ると穴の空くポイントがあります。
うまいことやって橋の真ん中まで進むと突然目の前の床をブチ破ってドラゴンの首が出てきます。
FCの長靴を履いた猫やバツ&テリーを思い出す雰囲気ですね。
スタート地点に戻るなりして相手の炎を避けつつ投げナイフをぶち当てまくって殺します。
そしてやる気のないジャンプで穴に落ちないよう気をつけながら右端まで行けばクリア。
この際しばらく出てこなかったコウモリが突然目の前に出てきてダメージを食らってイライラしたりします。

これが1面、一画面での出来事です。中々の情報量。
ただし再三再四言っているように操作性がアレなため一画面で死にまくります。
こればかりはやっていただくのが一番かと思われます。かなりのアレっぷりに驚かれることでしょう。
例えば1面のドラゴンの炎、楽勝と思ってしゃがんで避けようとするとしゃがみ動作がチンタラし過ぎて顔を焼かれて死にます。
普通のアクションゲームで確実に避けられるタイミングでは絶対にダメです。
数キャラ分離れていても全く間に合いません。知って無いとアドリブじゃ無理。
このように先行入力が必要となるポイントが多々存在するためこのゲームが異常に難しくなっているのです。

クリアしてないので大したことは書けないので道を逸れますが、このゲームどういうわけかSFCやGBに移植され、
果ては3DになってPS2やGC、XBOXで登場していたりします。
そんなに人気があったのか、海外では熱狂的なファンがいるのかよくわかりませんが、外人がわざわざプレイした挙句
散々ブチ切れる動画がyoutubeにあったりするので現地人もどうやらアレだと思ってるみたいです。
サルミアッキみたいなもんでしょうか。サルミアッキ。ググってみてね。

ファミマガで必死に攻略記事を作ってあったりしたので、このFC版購入したお子様等もたくさんいたかと思います。
いやたくさんじゃないとは思いますが。
そういった子供らが絶望のどん底に叩きこまれた事は想像に難くありません。
しかし当時は絶望ゲームは山ほどあり、そんな中でも必死に楽しんでいた子供もたくさんいたはずです。
自分も今はいい思い出ですが、お年玉を吸われ死にたい気分になったゲームが山ほどありました。
マグマックスとか懐かしいね。

いつものように散々書いてきましたが、このゲーム覚えてしまえばとんでもないタイムアタックが出来る模様です。
確かにランダム要素はあまりないため、何度もやれば恐らく機械的にクリアが出来るのだと思います。
覚えゲーは「してやったり感」が強く感じられ、忍耐力さえあれば面白くプレイ出来るのだと思います。俺は無理だ!
このあたりはLDゲームに近いといえば近く、そういった意味で正当な移植作と言えない事もないのかもしれません。
相も変わらず適当な〆ですが。