突然!マッチョマン(ビック東海:1988年)



(1枚目:タイトル画面。全体的に何かやる気がない。 2枚目:マッチョの雄姿。近接はアッパーオンリー。)

タイトル画面にてでかでかと下部に表示されるビック東海の文字。
同社は我が静岡の企業であり、現在は株式会社TOKAIコミュニケーションズという名でプロバイダサービス等をやってはいますが、
当時はアイギーナの予言やゴルゴシリーズなどのFCソフトを始め、ライトゲーマーが裸足で逃げ出すような珍作を
世に送り出していたのでした。
筆者は本社から家が近い事もあり、また以前プロバイダサービスを使っていて所縁もあるのですが、果たして現社員の何割が
所属する会社の輝かしい…過去を知っているのか調査したくてしかたありません。
面接でそれだけ聞いて帰ってやろうかと思う次第です。
偉い人の態度を見て黒歴史かの判断もしてみたいとも思ったものです。
でも世紀が変わって、ややズレた方向かもしれないけど評価されてるゲームが多いのでおおっぴらにしてほしいものですね。
カケフ君のジャンプ天国由来のスピーディなネット環境を!とか。
余計なお世話でしょうけど。
勢いが削がれそうだったので今更書きますが開発はエイコム。
のちに北斗で大儲けした某ぱちんこ企業の子会社になったりSNKやタカラに出資してもらい再出発したり、
運命に揉まれた会社だったようです。Wikipediaの完全な受け売りですが。

そして腕前はライトゲーマーの筆者、マトモにやると1-2から進めなかったゲーム、突然マッチョマンの紹介です。
このゲームは当時らしい横スクロールアクションです。
ストーリーは路上生活者にしか見えない科学者ジャクソンが、銃をバンバン撃ちながら島を脱出するというもの。
飛行機が墜落した際(タイトル画面のとおり)に島のモンスターが飛行機より持ち去った「マッチョマックスペレー」という薬を
回収し、服用してマッチョに変身しながら島を攻略していきます。

このゲーム、筆者の様なアクション下手くそ野郎には難しすぎます。
敵の配置が本当にいやらしい、というか一定距離を抜けるまで鳥が何度も出てきたりしてすぐ死にます。
普段はライフ制では無く一発KOで、ジャンプの慣性を始め操作感も独特、ヘタクソには辛い条件です。
銃も弾数制限があるので使用に遠慮が出るし、そもそもAボタン押しっぱで延々ジャンプする仕様は微妙に困ったり。
イライラがつのります。

しかし、ひとたびどれかのザコから「マッチョマックスペレー」を入手し、セレクトボタンで変身すると…

すさまじいカタルシス!
集英社の某ジャングルの王者の様に変身したジャクソン、近接攻撃しか出来なくなりますが、そのアッパーでひたすら敵を撲殺しだします。
70000点/5000点という様に、自スコアの割合でライフも決まり(最高14)、当然一発で死ななくなります。
今までひ弱なジャクソンが必死にザコをぶち倒しつつスコアアイテムをかき集めてきた苦労が報われるのです。
各ステージ最後に鎮座ましますボスキャラも、弱い奴ならアッパーカット3発で昇天。
銃だと30発ほど撃たねば死なないらしく、いかにマッチョが強いかわかります。

もうこうなると基本マッチョでゴリゴリ進んでいくことになり、あまり突然じゃあなかったりします。
ただ、本ゲームを攻略なさってる我が道に敵なし!様によりますと、薬が出ないステージが後半あるらしく、
筆者の様なヘタレには絶対クリアできないだろうと想像がつきます。
関係ないですがこのゲームをやっているとチーターマンを思い出します。
何でだろう。(知らない人は検索してみてください)

長々書いてはきましたが、個人的にこのゲームの何が素晴らしいかというと…

ずばり、マッチョマン変身中のBGMです!
さんざん蛇やキノコに痛めつけられた後の変身の解放感…それを表現したかのような力強いメロディライン!
孤高であるそのプライドを表現するような哀愁漂うそれは、ファミコンBGM傑作選の様なものがあれば
間違いなく筆者は推すであろう素晴らしいものです。
それに合わせゴリゴリ敵を蹴散らす様は、あまりの通常モードとの格差にテンションの上がりっぷりがすごいです。
今も再プレイしてますがマジかっけーマジかっけーとか思いながら変身してます。
このBGMを聴けるだけでも道中の苦労が報われたと言えるでしょう。

まとめますが、このゲームは確かに秀作とは言えない出来だと思います。
先述したようにゲームバランスなどはかなり厳しいものがあり、ライトゲーマーでは中々先へ進めない!
ただそんな中でも普段-マッチョのその差はすさまじく、よくある変身ゲーのなかでもかなり極端にその差を
表現しているゲームだと思います。
ダムの解放の様なカタルシスを感じたい方、プレイしてみてはいかがでしょうか。