おにゃんこTOWN(販売/ポニーキャニオン 制作/マイクロニクス:1985年) 



(1枚目:タイトル画面。Oの文字がマンホールになっています。 2枚目:マイケル。この直後車に轢かれますが無傷。)

発売元のポニーキャニオン、最大手の音楽映像メーカーとして有名ですが、過去様々な名作を販売元として世に送り出してきました。
どんなゲームかは今後のレビューのネタに困った時に使うつもりなので今は割愛しますが、本当に有名な作品ばかりです。
このゲームも同社販売のゲーム、開発元はマイクロニクス。
今巨大掲示板で初めて知ったのですが、どうやらこのマイクロニクスという会社、名作クラッシャーの下請けとして悪名高いみたいですね。
魔界村やソンソン等、全部は当然の如く割愛しますが同社によりFCに移植されたゲームのどれもが褒められない出来の様で。
それらに対する筆者の個人的感想はここでは省きますが、割とトラウマになっている方も多く見受けられます。
詳しくはマイクロニクス+おにゃんこTOWN辺りで検索してみてください。
あまり否定的なレビューはしたくないので、この辺でこの話題は切ります。

さて肝心のゲーム内容です。
二足歩行でエプロンを着た母猫ミルキーが迷子なんだかわかりませんが街中徘徊中の子猫マイケルを探し連れ帰るのが目的のトップビュー型アクション。
90度角で構成された街中で母猫は自分と同じ幅の道を走りまわりながら親の心子知らずな子猫を探し回ります。
当然アクションゲーの常として、何が憎いのかさっぱりわかりませんが邪魔が入り、犬が母猫を襲ってきます。
母猫は対抗手段として、前方かつ遮蔽物が無ければ無限遠であろうとお構いなしにマンホールを開けられ犬を落とす事が出来、さらに
フタを閉めると倒す事が出来ます。後ジャンプで敵や自分で開けたマンホールを飛び越えたりも出来ます。
マンホール開閉に関して距離の制限がないのはプログラムミスなのではないかと小学生ながらに疑ったものでしたが、手の届く範囲でしか
開閉できなかったらさぞかしイライラするゲームだろうと思い、気にしないようにしていました。
他にも魚屋で魚をパクると一定時間バーサーカーモードになり犬を直接屠る事が出来るようになったりします(魚屋のオヤジが包丁で襲ってくるが)。

そうやって街をうろうろしているとその内、車に轢かれても蛇や魚屋に襲われても無傷でマンホールもレビテト状態で通過している我が子が目に入ります。
ポスタル2でいうalamode状態の我が子、ほっとして接触すると連れまわしモードに入ります。この状態で帰宅すれば面クリア。しかし…
子猫を連れているとジャンプが出来ず、おまけに歩行速度が遅くなります。
子猫は無敵なんだからペルシア軍VSエジプト軍の際のペルシア軍の様に盾にしちまえばどうにかなりそうなもんですが、母親が子供を盾にするなぞ
とても出来る訳がないだろうし、筆者も書いてて気分が悪くなっています。やはりここは親として奮闘です。パパスです。母親だけど。
そうして何とか帰宅すると数秒後にはまた子猫が家出していますのでまた繰り返しです。グレてるんでしょうか。
父猫はどうなっているのかなど、現代における家庭崩壊問題を揶揄した作品なのかもしれません。絶対に違います。

殺伐とした実際のゲーム内容は置いておいて、筆者がこのゲームの何を気に入っているかといえば、グラフィックのほわほわとした感じでしょうか。
なっつしゅーとの様に横長なミルキーの顔や、我関せずで街をうろつくマイケルが可愛らしいんです。
やたら画面がチラついたり、4小節でループする気の狂ったようなBGM(元はクラシックらしいが…)の高音が刺激的だったりもしますが、
母猫の健気さと猫グラフィックの可愛さでなんだか許せる気がするんです。
ミルキーがマイケルを連れまわしている画はファミコン屈指の可愛いドット絵ではないでしょうか。

また、私事ですが、ついぞ前に父親になり、子供を守るという親としての行動に対する実感が湧いてきた今、このゲームは
小学生当時のプレイとは違った意味を持つのです。
母猫の必死さが胸を打ち、コントローラーを持つ手に力が入ります。
バードウィークというゲームをやっても、ヒナが飢えないように飢えないようにと、必死にキーを叩いておりました。
ファミコンはその少ない情報量であっても人の心をこうまで打つのです。
無理やり綺麗なオチに持っていってる感がメリメリ出てますが、まあそういうことです。